2021年3月:キリロム工科大学に新入生(第9期生)が入りました

2021年キリロム工科大学に新入生が入りました



キリロム工科大学(Kirirom Institute of Technology)の学務担当副学長の釜我昌武(KAMAGA Masamu)です。

2021年5月現在、日本では緊急事態宣言が発令されるなど、2020年前半に始まった新型コロナウィルスの影響に伴い、様々な経済活動が制限されています。

特に、医療現場、飲食店などへの影響がニュースなどでも取り上げられていますが、教育業界も様々な変化があり、現場の対応は本当に大変です。

キリロム工科大学の置かれている状況は日本のそれとは違いますが、やはり現場での対応は、普通とは違うことが多く、大変です。

キリロム工科大学はカンボジアにあります。学生はカンボジアだけではなく、他の国からも集めていますし、教員に至ってはかなりの数がカンボジアの外から来ています。このようにキリロム工科大学では、越境、つまり国境をまたいでの教員採用や学生募集をしており、そういった中でこの1年というものは、非常に挑戦しがいのある1年でした。

ただ、そういう中でも、キリロム工科大学はその歩みを止めていたわけではありません。むしろ、様々な新しいことに取り組み続けてきました。オンラインでの講義および定期試験などもそうですが、職場・学習環境の改善から、教職員の新規での採用、トレーニングの強化など多岐に渡り、取り組んでまいりました。

特に、カンボジア政府が、オンラインでの教育を応援してくれるようになったので、キリロム工科大学のデジタルトランスフォーメーション(DX)は一気に進んだように感じています。

こういった文脈の中で、最近になってキリロム工科大学関連でもたくさんのプレスリリースが出されているようです。

せっかくですので、私、釜我昌武が(若干でも)関わっているものについて、少し言及してみようかと思います。

キリロム工科大学のキャンパス
三密とは縁のないキリロム工科大学のキャンパス


2021年3月:キリロム工科大学に新入生(第9期生)が入りました!


プレスリリースはこちら:

これは本当に嬉しかったです!

2020年に始まった新型コロナウィルスの影響に伴う、カンボジア政府の教育・青少年・スポーツ省からの要請や高校までの教育の遅れなどにより、様々なことがありました。このため、2020年11月に予定されていた入学式は遅れに遅れましたが、キリロム工科大学として第9期生を無事に受け入れることができました!

まるで新型コロナウィルスとは無縁だったカンボジア、そしてキリロム

2020年10月ごろまではカンボジア国内では新型コロナウィルスの影響はほとんどありませんでした。国境での水際対策で、国外からの持ち込みがほぼ完ぺきに抑えられていたからです。

国境での強い水際対策と同時に、2020年3月ごろには国内に既に持ち込まれているケースがあったため、2020年3~4月には、カンボジア国内も州間の移動が禁じられるなど厳戒態勢が敷かれました。これに伴い、キリロム工科大学も学生に対して自宅に戻るように指示を出し、キリロムからほぼ全学生がいなくなりました。

しかし、その後カンボジア国内では市内感染の発生などもなく、カンボジア政府からの許可を得た後、2020年10月から段階的に学生たちがキリロムに戻り始めました。

このような中で、いよいよ学生の受け入れもできるか、といった矢先の2020年11月に、カンボジア国内で市内感染が発生しました。しかし、この市内感染は1ヶ月ほどで抑え込まれ、2021年頭には入学式などが予定され、無事に執り行われるような方向で決まり始めました。

カンボジア国内は非常に安全な状態が続き、さらに森の中にある三密とは縁のないキリロムも完全に安全な状態が続きました。

このような中で、キリロムのキャンパスに既に戻ってきていた在学生たちに対しては、2021年1月には、中間試験がキャンパスで実施され、インターンシップも教室で実施されるようになりました。また、教室での講義も再開され、学生たちも、先生たちもとても楽しそうにオフラインでのキャンパスライフを満喫し始めました。

※オンラインでの講義やインターンシップ環境が強化された分、オンラインとオフラインのハイブリッドでの教育は、キリロム工科大学の大きな強みとなったことを、別途強調したいです。


キリロム工科大学のキャンパスに戻ってきた学生
2021年1月、キリロム工科大学のキャンパスに戻ってきた学生
(フィリピン人の先生による英語の授業風景)

キリロム工科大学のキャンパスに戻ってきた学生
2021年1月、キリロム工科大学のキャンパスに戻ってきた学生
(インド人の先生によるITの授業風景)


また、2021年2月中旬には、キリロム工科大学主催で、3日間におよぶスポーツフェスティバルも開催されました!キリロム工科大学の学生、教職員のみならず、キリロムのリゾートのスタッフや、プノンペンのバックオフィスのスタッフまで、様々な人が集まり、大きなイベントとなり、大盛り上がりでした!

学長が不在だったので、現場での代表として、開会式での宣言や、聖火のようなものへの点火までさせてもらいました!


キリロム工科大学のスポーツフェスティバルに向け準備する釜我昌武
キリロム工科大学のスポーツフェスティバルに向け準備する私、釜我昌武


2021年2月20日、カンボジアに本格的なコロナ禍がやってきた

しかしです!

ただでは終わらないのが今回の新型コロナウィルスです。

2021年2月20日(February 20 Eventと呼ばれています)から、カンボジア国内で再度市内感染が発生し、これまで1年通じても500名程度しか発生していなかった新型コロナウィルスの感染者数が、毎日数十件~数百件発生するようになりました。

カンボジア政府はこれを徹底的に抑え込むべく、かなり厳しく移動を制限するなどしました。これに伴い、安全を第一に考え、学生がキャンパスに来ることを制限しました(2021年5月14日現在、続いています)。

また、予定されていた入学式などもできなくなってしまいました。仕方ないとはいえ、キリロム工科大学の厳しい入学試験を乗り越え、入学を「まだか、まだか」と待っている新入生の皆さんに対して申し訳ない気持ちさえわいてきました。

コロナ禍に負けないキリロム工科大学

しかし、キリロム工科大学もただではあきらめません。

カンボジアの教育界のホープとも言えるキリロム工科大学の学長を中心に、カンボジア政府との連携を強め、結果、予定されていた入学式よりも1週間遅い形で、入学のオリエンテーションを実施しました。そして、さらに遅れること1週間で、新学期の授業を開始することができました!

全てオンラインですが、今のところ新入生の皆さんはインタラクティブに勉学に励んでくれているようです。今月末には初めての定期試験である中間試験も控えています。

新入生の皆さんが、早くキリロムに来て、全寮制の充実した生活を送れる日がいち早く来るのを願っています!

キリロム工科大学の学生食堂の一つ
キリロム工科大学の学生食堂の一つ



建築学科の開設、そして次は大学院


第9期生は、私が副学長になってからは初めての新入生でした。

正確に言うと、キリロム工科大学に参画した直後の2019年10月に第8期生の受け入れもしました。しかし、当時の私はまだ現在のポジションでもなく(当時はシニア・アカデミック・マネージャーという仮のポジション)、また、参画してから1ヶ月ばかりだったので受け入れ自体にはほとんど関わることがなかったです。

大学に関わる身としては、ただでさえ嬉しい気持ちでいっぱいですが、新型コロナウィルスに伴う様々な影響もあり、この新入生の受け入れに伴う嬉しさは一入でした。

なお、今回の第9期生は、学科別としては、先端技術IT学科の第9期生、観光経営学科の第3期生、そして新規に開設された建築学科の第1期生が入学しました。私が、学務担当の副学長として、立ち上げに深く関わった建築学科もいよいよ開設されたのです!

先端技術IT学科、観光経営学科、そして建築学科の先生と一緒に、私も様々なことを勉強しながら、大学のアカデミックの舵を取っています。

そして、次は来たるキリロム工科大学の第10期生に合わせて、大学院(ソフトウェアエンジニアリング専攻)も開設する予定です。データサイエンスコース、サイバーセキュリティコース、テクノロジーマネジメントコースと3つのコースを備える専攻で、カリキュラムや教員の採用などを随時進めています。

日々の頑張りが、今回の建築学科のように形になっていくことはとても嬉しいことです。チームとして一緒に日々仕事をしてくれている学科長クラスの先生たちや、管理部門のマネージャーたちには本当に感謝です。

本件に関しては、まだまだ書けることが山ほどありますが、そろそろ終わりにします。


おまけ:釜我昌武に多少なりとも関連する最近のプレスリリース

※時間があったら、いつか個別に書いていきます。


グローバルリーダーを養成するキリロム工科大学  日本人第一期留学生がGAFMAから内定を獲得!

大学に関わるものとして、一番の成果は、卒業生が活躍することです。残りの学生生活をしっかりと満喫して、羽ばたいていってほしいです!


何と私、釜我昌武も登壇者として末席に名を連ねています!


超有名なデザイナーの太刀川さんが、理事になりました!2月のキリロムグローバルフォーラムや、先日開催されたキリロム工科大学の理事会でも少しだけお話しさせていただきました!感動です。


他にもご紹介したいことがありますが、今回はここまでにしておきます。

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posted by
KAMAGA Masamu Ph.D. (釜我昌武)
Vice President for Academic Affairs
Kirirom Institute of Technology, CAMBODIA (キリロム工科大学)
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※本記事に記載されている内容は釜我昌武の個人的見解であり、所属する組織(キリロム工科大学、A2A town Cambodiaなど)とは関係ありません。

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